令和6年4月1日〜令和7年3月31日
「生涯学習理念」は、平成18年(2006)施行の「教育基本法」の3条において、次のように謳われています。
業務計画の方向性・焦点を見失わないように、次に掲げておきたい。
国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、生涯にわたって、あら
ゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図ら
れなくてはならない。 富士見市では、令和3年4月に「第3次生涯学習推進基本計画」(令和3年度〜令和7年度)公表し、「基本的な考え方」
「基本理念」「基本目標」として、次の項目を公にしています。上と同じ趣旨から、併せて掲出しておきます。
1.事業の基本は市民一人一人の自由で自発的な「学ぶ意欲」にあるということ 市民一人ひとりが、安心して生活し、行政との協働のもとで、いつでも、どこでも、いつまでも
、自発的に学習を進め、そのことを通して、すべての市民が互いを尊重し、心豊かに暮らせるまちづくりの実現をめざす。
1.生涯にわたって自由な学習ができるまち 「富士見市民大学」は本年47期を迎えます。市民の要求に耳を傾けながら、生涯学習という理念と抽象概念を、講座・講演会といった具体的な
学びの形態に変えて、およそ半世紀の長きにわたって、市民に「学習の場」を提供してきました。したがって、一本の講演、一連の講座はそれぞれ、富士見市民の求める学習テーマであり、
市民大学の作成するシラバス(学習計画)は、その学びをすすめるための、もっとも有効なプログラムである、と考えています。
市民の有志のもとで「NPO法人市民大学」として再編成されたのは平成20年(2008)ことです。
以降、16年間、講座数、講座内容ともに充実度を増し、毎年、平均10講座・4公開講座を提供してきました。 近年は学習者のなかから、新しいサークル活動の主導者が現れ、ボランティア活動の提唱者がでています。市民大学の十余年の教育成果は
顕著になってきました。ことに「教養講座」−文学講座、文章教室、歴史講座といった、習熟に時間を要する分野の学習者の中に後継者が多く見受けられます。さらに、「まちづくり」の
分野においても、市民大学のリーダーシップが、市民のパワーを一つに集結させた成功例があります。かつての「コスモス街道づくり」を挙げてみましょう。 コロナ禍が起こる2019年までの5、6年間のことですが、富士見市役所・協働推進課と協働で、市の職員はもちろん、課長、教育長、富士見市長が、
みずからの手に農具をもって、土起こし・種まき・除草に参加しています。ここで見逃してならないのは、コスモス街道づくりの、初期の段階から、小学生、中学生の参加していることです。
この子供たちが、10年、20年先の‘まちづくり’の担い手であるからです。 もう一つ、忘れてはならないことがあります。 それは、「富士見検定」実施であり、そのための「富士見検定講座」実施です。
東上線沿線の都市では、川越市、和光市、志木市が、富士見市に先行して実施しました。
川越市は、商工会主催で実施は10数回、現在は中断しています。 和光市は、同市の若手の職員の主導で1回だけ実施ました。 志木市では、民間のエコ団体の主催で1回行われています。
富士見市では、NPO富士見市民大学が主催し、小中学生対象のミニ検定、小規模のプレ検定などを含めると、7年間にわたり大14回ほど実施しています。
記憶すべきことは、実施回数ではありません。富士見検定には「親子参加、家族参加、新しい移住者の参加の多かった」ことの事実です。 今日、富士見市の人口は11万3千の人口をかかえています。市民のニーズはじつに多様です。『富士見市生涯学習ガイド令和3年度』
(生涯学習課編纂)には、全公民館及び各施設、博物館・図書館の主催する事業が網羅されています。スポーツ活動から任意団体のサークル活動を含めると、500近い数になるでしょう。
さいわい、生涯学習課が「第3次生涯学習基本計画」を策定する際に行ったとされるアンケートによると、市民の学習ニーズが高いのは「文化・芸術・教養・趣味に関すること」の人格形成にかかわる
広い領域にあるようです。これは、有益な手掛かりになります。 しかし、市民大学が事業化を進めるには、さらに焦点を絞りこまなくてはなりません。
市民大学は、趣味の同好会や、ふれあいが主目的である「コミュニティ大学」とは異なります。また、特定の技能知識の習得のための「企業人学習」とも違います。それを明確にするために、
下の5項目の基準を設けて、アカデミック(学問的・知的)な学びの側面から、主として高齢者の、自主的・継続的学習を促進し、支援していきたいと考えます。 1.学習意欲をもつ健康な高齢者の人格形成を前提に講座のテーマを設定する。 2.原則として4年制大学の教養課程レベルの内容を維持したい。 3.継続学習が啓発されるような授業内容であること。 4.「参加してよかった・視野が広がった」と満足できる授業を創出する。 5.講座運営に際しては、講師、受講者相互のコミュニケーション促進に配慮する。 つぎのU章、V章、W章に掲げる「令和6(2024)年度の事業計画案」は、上記の5項目に基づいて計画したものです。
1.教養コース
(1)文学講座 「紫式部の生涯と和歌 ―「みやび」と「あわれ」―」 講師:東洋大学文学部 名誉教授 谷地快一 氏
日程:9月1日・8日・15日・22日・29日(5回)
(2)国際社会学講座 「ウクライナとガザ−2つ戦争から考える世界の行方」 講師:西谷 修氏(東京外国語大学名・誉教授)
日程:6月15日・22日・29日・7月13日(4回)) 講師:樋泉岳一氏(早稲田大学・准教授)
○「四大貝塚」@神明貝塚 A真福寺貝塚 B黒浜貝塚 C水子貝塚 日程:11月9日・16日・23日・30日・12月8日(5回)
(5)行政と市民生活講座 高齢者が老後を安心して生活を送るために―公共施設再編計画と民間介護・医療企 <業の現状」
講師:富士見市政策企画課/公共施設マネージメント課/高齢者福祉課/ふじみ苑/日鼻医院・日鼻靖 日程:9月28日・10月5日・12日・26日・11月2日(5回) 講師:ふじみ野整形外科内科骨粗鬆症スポーツクリニック院長山口 智広氏 日程:未定(選挙のため未決定/小中学の夏休み中に公開講座を1回)) @茶の湯歳時記A絵本の話B薬の話C講話と写経D懐かしの昭和歌謡E初心者ヨガF史跡散策 G茶の湯歳時記「絵本朗読・心臓と肺の働き・講和と写経・俳句入門・史跡散策」 講師:「人材バンク」からの派遣講師その他
日程:8月24日・9月30日・10月7日・28日・11月4日・11日・25日1月18日(8回)(5回)
5 講座運営関連業務 W 地域還元活動
[基本的な考え方]
2.「学ぶ意欲」をさらに育て、市民の主体的な学習活動を支援することが行政の体積な責務であること
3.市民や関係団体や企業などと行政の協働により「学びやすい環境づくり」をすすめること
4.地域の課題を解決することを通した、まちづくりに向けた支援であること
5.市民一人ひとりの課題・目的を追求する力を高めていくことにつなげられるような事業であること
[基本理念]
[基本目標]
2.暮らしと時代にねざす学習ができるまち
3.生涯学習支援体制(情報、施設、推進体制)が充実したまち
U 令和6(2024)年度の補助金に基づく講座講演会の開設
(3)社会保障学講座 本年は講座を組まず、公開講演会(1回)を令和7年2月8日に実施する。
2 市民学(特別)コース
(4)富士見の歴史講座 「埼玉県の四大貝塚(国指定遺跡)を深堀する」
○「関東地方の貝塚の分布と遺跡の特徴」(総論)
(6)特別コース・親子で学ぼう―「スポーツ障害と予防/ケガをしない体づくり」
3 学びのネットワーク
(7)市民サロン塾 「市民人材バンク推進の会と市民大学との共同企画」
4 公開講座・公開講演
(8)開講式基調講演 「平安貴族と宮廷サロンのきらびやかな女性作家たち」
講師:川村裕子(武蔵野大学日本文学研究所客員研究員)
日時:6月1日 13時30分〜
(9)10月公開講演 「気象予報士から学ぶ異常気象、地球環境の未来」
講師:千種ゆり子氏(気象予報士)
日時:9月14日 13時30分〜
(10)11月公開講演 「第三の医療 在宅医療体制の実態」
講師:日鼻 靖 氏(日鼻医院 院長)
日時:11月2日 13時30分〜
(11)人権関係講演会 「いずれはみんなは、おひとりさま」
講師:上野千鶴子氏(東京大学名誉教授)
日時:12月7日 13時30分〜
(12)令和6年2月講演会 「地域共生社会と人権としての社会保障のゆくえ」
講師:濱畑 芳和 氏(立正大学社会福祉学部教授)
日時:2025年2月8日 13時30分〜
〇「第46期富士見市民大学講座案内」の発行(4月下旬)
〇公開講演会ポスター制作・掲示板貼付(上記項目8〜11まで)
○「富士見市民大学だより」の発行 (年度内2〜3回)
○「第45期富士見市民大学まとめ集」(年刊誌)の発行
6 街づくり推進事業
〇鶴瀬公民館祭り・文化祭等イベントへの参加
〇市民大学理事の高齢化にともない体力を要する作業(コスモスの会・谷津の公園保全活動)への参加
を控え、本来業務(講座講演会の企画・運営)に努力を傾注したい。ただし理事の個人的な参加は任意
U NPO法人富士見市民大学の自主事業
〇ホームページ管理
〇SNS等によって活動情報を発信する
〇正会員との懇談会並びに受講生との親睦会
〇「ボランティア養成講座」「まちづくりを考える講座」を企画することで、富士見市民の環境保全意識、まちづくりの精神を育成することに努めたい。